長期譲渡と短期譲渡の税率差 — 20.315%と39.63%はどれだけ違うか
譲渡所得の税率は長期20.315%・短期39.63%と約2倍の差があります。税率差が手取りに与える影響と、特別控除との関係を踏まえた売却判断の手順・考え方を解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-25 / 更新: 2026-08-25
不動産の譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって2段階に分かれます。この差は非常に大きく、売却手取りを左右する要素の一つです。
2つの税率
・長期譲渡所得(譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年超): 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%) ・短期譲渡所得(同5年以下): 39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%) 復興特別所得税は2037年まで所得税額に上乗せされる仕組みです。
税率差のインパクト
仮に譲渡益(特別控除適用後の課税譲渡所得)が1,000万円なら、長期では約203万円、短期では約396万円の税額となり、単純な税率適用だけで190万円ほどの差になります。譲渡益が大きいほど差額も広がるため、取得から5年前後で売却を考える場合は、長期・短期の判定を必ず確認したいところです。
なぜ短期は税率が高いのか
短期譲渡への高い税率は、短期間の転売による投機的な取引を抑える趣旨と説明されます。給与などの総合課税と異なり、土地建物の譲渡所得は分離課税で、他の所得の多寡にかかわらずこの税率が適用されます。
「待てば必ず得」ではない
税率だけを見れば長期まで待つのが有利ですが、実際の判断はそう単純ではありません。 ・待っている間に相場が下がれば、税率差以上に手取りが減る可能性がある ・保有し続ける間の固定資産税・管理費・修繕費などのコストがかかる ・マイホームなら3,000万円特別控除で譲渡益が消え、税率差が問題にならないケースも多い 特にマイホーム売却では、特別控除適用後の課税譲渡所得がゼロになるなら、短期・長期の違いは税額に影響しません。
判断の手順
1. 譲渡益の概算を出す 2. 適用できる特別控除を確認する 3. 控除後も課税所得が残るなら、1月1日基準の所有期間判定を確認する この順で検討すると、税率差を意識すべきケースかどうかが見えてきます。
相続物件は取得日を引き継ぐ
相続や贈与で取得した不動産は前所有者の取得日を引き継ぐため、相続直後の売却でも長期譲渡所得になるケースが多くあります。自分名義になってからの期間だけで短期と思い込まないことも大切です。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02