分譲マンションの登場と普及 — 「所有する集合住宅」の歴史
分譲マンションは1950年代に登場し、区分所有法の制定と高度成長を背景に都市の標準的な住まいへと普及しました。黎明期からマンションブームまでの歩みを解説。マンションの成り立ちがわかります。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-16 / 更新: 2026-09-16
今では都市の住まいの代表格である分譲マンション。しかし「集合住宅の一室を所有する」という形は、戦後になって作られた比較的新しい仕組みです。
黎明期 — 1950年代の先駆者たち
戦前にも同潤会アパートなどの集合住宅はありましたが、賃貸が基本でした。戦後、都心の地価上昇を背景に、分譲形式の集合住宅が1950年代に登場します。1953年の宮益坂ビルディング(渋谷)は公的機関による分譲アパートの先駆けとして、1956年の四谷コーポラスは民間分譲マンションの草分けとして、それぞれ知られています。当時はまだ「マンション」という呼び名も一般的ではありませんでした。
法制度の整備 — 1962年の区分所有法
一棟の建物を戸ごとに所有するには、専有部分と共用部分の権利関係を定める法的な枠組みが必要です。1962年(昭和37年)に制定された「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)がこれを整え、分譲マンションという商品が安定して流通する基盤ができました。管理組合や集会の決議といった、今のマンション管理の基本概念もこの法律に由来します。区分所有法はその後も改正を重ね、管理や建て替えのルールが整備されていきます。
マンションブームと大衆化
1960年代には民間デベロッパーによる分譲が本格化し、高額な「億ション」的な高級路線から始まったマンションは、やがて郊外や湾岸へ広がりながら大衆化していきました。高度成長期から1970年代にかけての度重なるマンションブームを経て、マンションはサラリーマン家庭が取得できる都市の住まいとして定着します。国の統計では、分譲マンションのストックは数百万戸規模に積み上がり、都市居住の主要な形式となりました。
ストックの時代へ
黎明期のマンションはすでに築60年を超え、老朽化と居住者の高齢化という「二つの老い」への対応が課題となっています。建て替えか、修繕して使い続けるか。分譲マンションの歴史は、所有と管理の仕組みを作った前半から、ストックをどう維持・再生するかという後半へと、章が変わりつつあります。
*マンション管理・建て替えの制度は改正が続いています。最新の制度は公的情報でご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02