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木造密集市街地はどう生まれたか — 戦後の急成長が残した街

都市部に残る木造住宅密集地域は、戦後の急激な都市化の中で形成されました。成り立ちの経緯、防災上の課題、現在の改善の取り組みを歴史からたどります。街選びの視点が深まる歴史解説です。

著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-14 / 更新: 2026-09-14

東京や大阪の都心周辺には、細い路地に木造住宅が密集する一角が今も残ります。「木密(もくみつ)」と呼ばれるこれらの地域は、日本の都市が急成長した時代の記録でもあります。

形成の背景 — 統制よりも速かった都市化

木造住宅密集地域の多くは、戦前からの市街地の外側、旧市街を取り囲むエリアに分布しています。戦後の復興期から高度成長期にかけて、都市には職を求める人々が大量に流入しました。住宅の需要が計画や基盤整備のスピードを大きく上回った結果、農地や既存集落が十分な道路・公園を確保しないまま宅地化され、狭い敷地に木造の住宅やアパートが建て込んでいきました。戦災を免れた古い市街地が、そのままの街路構造で高密度化した地域もあります。

なぜ更新が進まなかったのか

木密地域では、幅員4メートル未満の道路に接する敷地が多く、建築基準法の接道規定によりセットバックが必要になるなど、個別の建て替えに制約がかかります。敷地が狭小で権利関係が複雑なこと、住民の高齢化などもあいまって、建物の更新が進みにくい構造が生まれました。結果として、旧耐震基準以前の老朽木造建物が高密度に残ることになります。

防災上の課題

1995年の阪神・淡路大震災では、密集市街地で建物倒壊と市街地火災による大きな被害が発生し、木密地域の危険性が全国的な課題として強く認識されました。国は密集市街地整備のための法制度を整え、地震時に大きな被害が想定される「地震時等に著しく危険な密集市街地」を公表して改善を進めてきました。

現在の取り組みと住まい選びへの示唆

自治体は、道路の拡幅、老朽建物の除却・建て替え支援、不燃化の促進などに長期的に取り組んでいます。住まい選びの観点では、自治体が公表する防災都市づくりの資料や地域危険度の情報を確認することが、この歴史を踏まえた実践になります。木密は「古い街並みの情緒」と「防災上の課題」が同居する場所であり、その両面を知ることが大切です。

歴史を知れば、路地の風景の背後にある事情も見えてきます。街の成り立ちを知ることは、住まい選びの解像度を上げてくれるはずです。

*地域の危険度・支援制度は自治体の公表資料でご確認ください。*

出典・参考資料

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最終更新: 2026-08-02

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