契約不適合責任を売主目線で整理 — 免責特約と通知期間の実務
引き渡した物件が契約内容に適合しない場合、売主は追完・代金減額・損害賠償等の責任を負い得ます。売主が取れる対策と免責特約・通知期間の考え方を解説します。契約書作成前の確認に役立ちます。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-18 / 更新: 2026-09-18
2020年の民法改正で「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。買主保護の文脈で語られることが多い制度ですが、売主にとっては「引き渡した後にどこまで責任を負うのか」を左右する重要なルールです。ここでは売主の立場から対策を整理します。
売主が負い得る責任の内容
引き渡した物件の種類・品質・数量が契約の内容に適合しない場合、買主は次の請求ができるとされています。 ・追完請求(修補など) ・代金減額請求 ・損害賠償請求 ・契約の解除 ポイントは「契約の内容に適合するか」で判断されることです。つまり、契約書や告知書に書いてある状態と実際が一致していれば、不具合があっても直ちに契約不適合とはならないのが基本的な構造です。
売主の防御は「書面に落とすこと」
売主目線での最大の対策は、物件の状態を契約書類に正確に反映することに尽きます。 1. 物件状況報告書に既知の不具合を漏れなく記載する 2. 付帯設備表で設備の有無と故障・不具合を明示する 3. 経年劣化が想定される箇所は容認事項として明記する 「古い建物なので多少の不具合はあるだろう」という暗黙の了解は、書面にない限り売主を守ってくれません。
免責特約と通知期間
個人間売買では「売主は契約不適合責任を負わない」とする免責特約や、「引き渡しから3か月以内に通知されたものに限り責任を負う」といった通知期間の特約が広く使われています。民法上の通知期間(買主が不適合を知った時から1年以内の通知)は任意規定とされており、当事者の合意で変更できるためです。ただし、売主が知りながら告げなかった不適合については免責の効力が及ばないと解されている点には注意が必要です。なお、売主が宅建業者の場合は買主に不利な特約に制限があります。
引き渡し前の最終確認
引き渡し直前に買主と一緒に現地を確認し、設備の動作や残置物の有無を双方でチェックしておくと、後日の「言った・言わない」を減らせます。確認結果は書面やメールに残しておきましょう。この一手間が、引き渡し後の問い合わせ対応の負担を大きく減らしてくれます。
*特約の有効性や責任の範囲は個別の契約内容によります。具体的な判断は弁護士・宅建業者にご相談ください。*
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最終更新: 2026-08-02