手付解除はいつまでできるか — 「履行の着手」と期限設定の考え方
手付放棄による解除は「相手方が履行に着手するまで」が原則ですが、契約書で期限が定められることも多くあります。買主目線で期限の読み方と注意点を解説します。契約前の確認にお役立てください。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-18 / 更新: 2026-09-18
手付金を放棄すれば契約を解除できる——手付解除の仕組み自体は広く知られていますが、「いつまでできるのか」は意外と正確に理解されていません。期限を誤解していると、手付放棄では済まず違約金の問題に発展しかねないため、買主目線で期限の考え方を整理します。
民法の原則は「相手方が履行に着手するまで」
民法上、解約手付が交付された場合、買主は手付を放棄して、売主はその倍額を現実に提供して契約を解除できるとされ、その期限は相手方が契約の履行に着手するまでとされています。ポイントは「自分が着手していても、相手方が着手していなければ解除できる」という構造です。
「履行の着手」とは何か
履行の着手は、客観的に外部から認識できるような形で履行行為の一部を行い、または履行の提供に欠くことのできない前提行為をした場合を指すと説明されます。例として次のようなものが議論されます。 ・売主側:引き渡しに向けた所有権移転登記の準備行為、買主の求めに応じた測量や残置物撤去の実施など ・買主側:中間金や残代金の支払い・その準備の提供など どの行為が着手にあたるかは事案ごとの判断となり、争いになりやすい論点です。
実務では期限日を定めるのが一般的
「履行の着手」の判断が不明確なため、実務の契約書では「手付解除期日」を具体的な日付で定めることが広く行われています。この場合、期日までは相手方の着手があっても解除できるのか、期日後は着手がなくても解除できないのか、といった点は契約書の文言によります。買主としては契約前に次を確認しましょう。 1. 手付解除期日がいつに設定されているか(契約から近すぎないか) 2. ローン特約の期日との前後関係 3. 解除の方法(通知の方式)と手付金の扱い
買主が注意したいポイント
手付解除期日が経過した後にやめたくなった場合、債務不履行として違約金(売買代金の10〜20%とする例が多いと言われます)の対象になり得ます。手付解除は「期日内なら手付金の損失だけで撤退できる最後の出口」であり、迷いがあるなら期日前に結論を出すことが重要です。
*履行の着手にあたるかどうかは個別判断です。解除を検討する場合は事前に弁護士へご相談ください。*
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最終更新: 2026-08-02