容認事項の書き方 — 売主を守る「あらかじめ了承いただく事項」
売買契約書の容認事項は、買主にあらかじめ了承してもらう事実を列挙する条項です。何を書くべきか、抽象的な書き方がなぜ危険か、売主目線の考え方を整理します。具体的な記載の考え方も紹介します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-19 / 更新: 2026-09-19
不動産売買契約書や重要事項説明書には「容認事項」という欄が設けられるのが一般的です。買主にあらかじめ了承した上で購入してもらう事項を列挙するもので、売主にとっては引き渡し後の紛争を防ぐ重要な仕組みです。
容認事項に書かれる典型例
・建物の経年劣化による不具合の可能性(築年数相応の劣化) ・近隣の生活音、車の通行音、施設からの音や臭い ・電柱・支線・越境物の存在 ・眺望・日照が将来の周辺開発で変わる可能性 ・過去の修繕履歴やリフォームの内容 ・境界標の一部が確認できないこと 物件固有の事情を具体的に書き、買主が「知らなかった」と主張する余地を減らすのが目的です。
抽象的な文言だけでは守られにくい
「経年劣化による不具合は容認するものとします」という一文はよく使われますが、具体的に認識していた不具合を包括条項だけで済ませるのは危険と考えられています。売主が雨漏りの跡を知っていたのに「経年劣化を容認」で片付けた場合、知りながら告げなかったと評価されれば免責は認められにくくなります。知っている事実は個別・具体的に書くのが原則です。
書き方のポイント
1. 事実を特定して書く(「和室天井に雨染みあり。原因は修理済みの過去の雨漏りによるもの」など) 2. 現在の状態と過去の経緯を分けて書く 3. 対応済みか未対応かを明記する 4. 買主の判断材料になるよう、憶測ではなく確認できた事実を書く 文案は仲介会社が用意しますが、内容の正確性に責任を持つのは売主です。必ず自分の言葉で読み、事実と違う点・足りない点がないか確認しましょう。
容認事項と告知書の関係
物件状況報告書(告知書)が「物件の状態の申告」であるのに対し、容認事項は「買主の了承の取り付け」という位置づけです。両者の内容が食い違っていると紛争の火種になるため、記載内容は整合させておく必要があります。契約直前は確認事項が多く、書類を読み込む時間が取りにくくなります。容認事項と告知書の案は早めに受け取り、落ち着いて内容を照合してから契約日を迎えるようにしましょう。
*容認事項の記載で全ての責任が免れるわけではありません。個別の文言は宅建業者・弁護士にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02