名義預金・名義不動産の問題 — 「名義を変えただけ」が招く課税リスク
家族名義にしただけの預金や不動産は、実質の所有者の財産として相続税・贈与税の対象になり得ます。名義財産と判定されるポイントと、本物の贈与にするための予防策を解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-30 / 更新: 2026-08-30
「子ども名義の口座に貯めてきた」「家の名義は妻にしてある」。こうした名義の工夫は、相続対策のつもりでも税務上は通用しないことがあります。キーワードは「名義財産」です。
名義財産とは
税務では、財産の帰属は名義ではなく実質で判定されます。名義が家族でも、実際にお金を出したのが被相続人で、管理・運用も被相続人が行っていたなら、それは被相続人の財産、つまり相続財産として相続税の対象になります。預金でこの状態にあるものが「名義預金」、不動産なら「名義不動産」と呼ばれます。相続税調査で最も指摘されやすい論点の一つとされています。
名義預金と判定されやすい特徴
・資金の出どころが被相続人(原資を出したのが誰か) ・通帳・印鑑・キャッシュカードを被相続人が管理していた ・名義人がその口座の存在を知らなかった ・贈与の合意や贈与税申告の記録がない 「あげたつもり」でも、受け取った側が知らず自由に使えない状態では、贈与は成立していないと判断されやすくなります。
不動産で起こる名義の問題
・購入資金を親が出したのに子の単独名義で登記した → 資金負担と持分の差額が贈与と扱われるおそれがあります ・夫婦共有で買ったが、負担割合と持分割合が一致していない → 同様に差額部分の贈与の問題が生じ得ます ・逆に、被相続人が実質的に取得した不動産を家族名義にしていた場合、相続税の申告で相続財産への計上を求められることがあります 不動産は登記で名義が明確な分、資金の流れとの食い違いが問題の中心になります。
予防策: 「本物の贈与」にする
名義財産のリスクを避ける基本は、贈与を実体のあるものにすることです。 1. 贈与契約書を作成し、双方が署名する 2. 受贈者本人が管理する口座へ振り込みで渡す 3. 通帳・印鑑・カードは受贈者が保管し、実際に本人が使える状態にする 4. 申告が必要な贈与は期限内に申告する 不動産の共有名義は、実際の資金負担割合どおりに持分を登記するのが原則です。
すでに心当たりがある場合
過去の名義預金・名義不動産に心当たりがあるなら、相続が起きる前に整理するのが最善です。相続後に発覚すると、申告漏れとして加算税等の負担が生じ得ます。状況の整理と対応方針は、相続に強い税理士へ早めに相談してください。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02