認知症になる前の備え — 実家が「凍結」する前にできること
所有者が認知症になると不動産の売却や活用が難しくなるとされます。任意後見・家族信託・遺言・生前売却など、元気なうちに選べる備えを比較します。資産の棚卸しから始める第一歩も紹介。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-09 / 更新: 2026-09-09
不動産の相続対策は「亡くなった後」だけの話ではありません。所有者が認知症などで判断能力を失うと、売却も賃貸も大規模修繕も進めにくくなる、いわゆる「資産の凍結」が起きるとされます。元気なうちに選べる備えを整理します。
なぜ凍結が起きるのか
不動産の売買や賃貸借は法律行為であり、本人の意思確認ができなければ契約できません。判断能力が不十分になった後は、家庭裁判所が関与する成年後見制度(法定後見)を使う道が中心になりますが、居住用不動産の処分には裁判所の許可が必要とされるなど、家族の思うようには動かせない場面があると指摘されます。
備えの選択肢を比較する
・任意後見契約:元気なうちに、将来の後見人と支援内容を自分で決めて公正証書で契約しておく制度とされます。発効後は家庭裁判所が選ぶ監督人の関与があるとされます ・家族信託:実家や金銭の管理・処分権限を家族に託す契約。判断能力低下後も受託者が売却等を進められる設計が可能とされ、資産の組み換えの柔軟性が特徴です ・遺言書:死後の承継先を決めておく備え。生前の管理はカバーしませんが、相続時の争い予防に有効とされます ・生前売却・住み替え:判断能力があるうちに自宅を現金化してしまう、最もシンプルな凍結回避策です ・金融面の整理:口座や保険の一覧化、代理人カードの検討なども並行すると安心です
組み合わせで考える
これらは択一ではなく、「家族信託+遺言」「任意後見+遺言」のように組み合わせて設計されることが多いとされます。財産の内容、家族構成、託せる人がいるかどうかで最適解は変わります。
動き出しのタイミング
どの制度も、契約時に本人の判断能力があることが前提とされます。診断が出てからでは選択肢が大きく狭まるため、「まだ早い」と感じるうちが実は適期と言われます。実家の名義・権利証・借入の有無を確認する棚卸しから始めてみてください。備えの検討そのものが、家族で将来を話し合うきっかけにもなります。小さく始めて、必要に応じて専門家に相談しましょう。
*備えの個別設計は司法書士・弁護士・税理士にご相談ください。*
出典・参考資料
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最終更新: 2026-08-02