親名義の家を売る手順 — 生前・認知症・相続後で異なる進め方
親名義の家は子が勝手に売ることはできません。親が元気なうち・判断能力が低下した後・相続後のそれぞれで必要な手続き(委任、成年後見、相続登記)を解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-15 / 更新: 2026-08-15
実家の売却を子が主導する場面は増えていますが、大前提として、名義人でない子が親の家を勝手に売ることはできません。親の状況によって取るべき手続きが大きく変わります。
ケース1:親が元気で判断能力がある
売主はあくまで親です。子が窓口を担う場合は、親からの委任状で手続きを代行する形になります。ただし売買契約や決済では、本人確認・意思確認が厳格に行われるのが通常で、司法書士等が親本人の売却意思を直接確認します。「本人が乗り気でないのに子が進める」ことはできない仕組みと理解してください。将来に備えるなら、元気なうちに家族で方針を話し合い、任意後見契約や家族信託といった仕組みを検討する選択肢もあります。
ケース2:親の判断能力が低下している(認知症など)
判断能力を欠く状態での売買契約は無効となり得るため、委任状があっても売却はできないとされます。この場合、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人が本人に代わって手続きする方法が基本です。さらに自宅(居住用不動産)の処分には家庭裁判所の許可が必要とされ、売却の必要性(介護費用の捻出など)が問われます。時間もかかるため、施設入居費用に充てる予定がある場合などは早めに司法書士・弁護士へ相談しましょう。
ケース3:親が亡くなった後に売る
相続した家は、相続登記で名義を相続人に移してからでないと売却できません。流れの目安は次のとおりです。 1. 遺言の有無を確認し、相続人と遺産分割の内容を確定する 2. 遺産分割協議書を作成し、相続登記を申請する 3. 名義変更後に売却活動を開始する なお相続登記は2024年4月から義務化されており、取得を知った日から3年以内の申請が求められます。放置すると過料の対象となる場合があるほか、相続人が増えて話がまとまらなくなるリスクも高まります。
どのケースでも早めの家族会議を
親名義の家の扱いは、「誰が住むのか」「介護資金はどうするか」「相続でどう分けるか」と一体の問題です。判断能力があるうちに方針を共有できていれば、ケース2の重い手続きを避けられる可能性が高まります。実家の書類(権利証・測量図・建築関係)の保管場所を確認しておくだけでも、将来の手続きは格段に楽になります。
*後見・信託・相続はいずれも法律手続きです。司法書士・弁護士・税理士への早めの相談をおすすめします。*
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最終更新: 2026-08-02