親族への売却は3,000万円控除の対象外 — 「特別の関係」の範囲
マイホームを配偶者・親子など特別の関係がある人に売った場合、3,000万円特別控除は適用できません。対象外となる相手の範囲、みなし贈与のリスク、代替策まで実務上の注意点を解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-26 / 更新: 2026-08-26
「自宅を息子に売って資金を作り、そのまま住み続けたい」。こうした親族間売買の相談は珍しくありませんが、税制上は大きな注意点があります。3,000万円特別控除は、特別の関係がある人への売却には使えないのです。
適用できない「特別の関係」の範囲
3,000万円特別控除が使えない売却相手として、おおむね次のような範囲が定められています。 ・配偶者、直系血族(親・子・孫など) ・生計を一にしている親族 ・売却後にその家屋で同居する親族 ・内縁関係にある人、その親族で生計を一にしている人 ・自分や親族が支配する同族会社など特殊な関係のある法人 兄弟姉妹であっても、生計を一にしている場合や売却後に同居する場合は対象外になります。逆に、生計が完全に別で同居もしない兄弟姉妹への売却なら適用の余地がある、というように、続柄だけでなく生計・同居の実態で判定される点が特徴です。
なぜ制限があるのか
親族間では売買価格や取引条件を自由に操作しやすく、形だけの売買で税負担を軽くする余地が生まれるためです。同様の趣旨で、10年超所有の軽減税率の特例など他の居住用財産の特例にも、特別関係者への譲渡を除外する要件が置かれています。
親族間売買のその他の税務リスク
特例が使えないことに加え、親族間売買では価格設定にも注意が必要です。時価より著しく低い価格で売ると、時価との差額について買主側に贈与税が課される(みなし贈与)おそれがあります。適正な時価の把握が親族間売買の出発点になります。
代替策の検討
自宅を親族に移して資金や住まいを確保したい場合、 1. 通常の市場売却+賃貸住宅への住み替え 2. 第三者の事業者が関与するリースバック 3. 生前贈与や相続まで待つ選択肢との比較 など、目的に応じた別ルートも含めて検討する価値があります。親族間の不動産移転は税目が複数絡むため、実行前に税理士へ相談することを強くおすすめします。
他の特例にも同様の制限がある
10年超所有の軽減税率や買換え特例など、居住用財産の特例は総じて特別関係者への譲渡を対象外としています。3,000万円控除だけの問題ではない点も押さえておきましょう。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02