所有期間の数え方 — 「譲渡した年の1月1日」判定の落とし穴
譲渡所得の長期・短期は譲渡した年の1月1日時点の所有期間で判定します。実際の所有期間と食い違う仕組み、相続で取得した場合の引き継ぎ、売却タイミングの注意点を解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-24 / 更新: 2026-08-24
譲渡所得の税率は所有期間5年を境に大きく変わりますが、この「5年」の数え方には独特のルールがあります。知らずに売ると、実際には5年以上持っていたのに短期扱いになることがあります。
判定は「譲渡した年の1月1日時点」
長期か短期かは、取得日から売却日までの実期間ではなく、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかで判定します。1月1日時点で5年超なら長期譲渡所得(税率20.315%)、5年以下なら短期譲渡所得(税率39.63%)です。
具体的にどうずれるのか
仮に2021年3月に取得した物件を2026年5月に売却したとします。実際の所有期間は5年2か月ですが、判定基準日である2026年1月1日時点では4年10か月しか経過していないため、短期譲渡所得になります。この物件が長期扱いになるのは、2027年1月1日以降、つまり2027年に入ってから売却した場合です。実感より最大で1年近く「長く待つ」必要が生じ得る仕組みです。
取得日・譲渡日の考え方
取得日と譲渡日は、原則として引渡しの日によりますが、一定の場合には契約の効力発生日を選択できる扱いがあります。年末年始をまたぐ売却では、どちらの日を基準にするかで譲渡年そのものが変わり、長期・短期の判定や適用できる特例に影響することがあります。判断に迷う場合は申告前に確認が必要です。
相続・贈与で取得した場合
相続や贈与で取得した不動産は、被相続人や贈与者の取得日を引き継ぎます。親が20年住んだ家を相続して翌年売却しても、所有期間は親の取得時から数えるため長期譲渡所得になります。
売却時期を検討する際の視点
・取得から5年前後での売却は、1月1日判定で短期にならないか必ず確認する ・税率差は大きいものの、待つ間の価格変動リスクや維持費も考慮する 税金だけを基準に判断せず、市況とあわせて総合的に検討することをおすすめします。
10年超の判定も同じルール
マイホーム売却で使える所有期間10年超の軽減税率の特例も、判定は売却した年の1月1日時点で行います。5年・10年という節目の前後で売却を考えるときは、必ずこの基準日で数え直してから意思決定してください。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02