取得費の資料がない場合の対処法 — 概算取得費5%で諦める前に
購入時の契約書がないと取得費は売却額の5%で計算され税負担が重くなりがちです。概算取得費の仕組みと、住宅ローン資料など実額を立証するための間接資料の探し方を解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-24 / 更新: 2026-08-24
不動産売却の申告で最も深刻なトラブルの一つが、「購入時の契約書が見つからない」問題です。取得費を証明できないと税額が大きく変わるため、対処法を知っておきましょう。
概算取得費とは
取得費が分からない場合、収入金額の5%相当額を取得費とみなして計算できます(実際の取得費が5%を下回る場合にも使えます)。仮に4,000万円で売却すると概算取得費は200万円。実際には2,500万円で購入していたとしても、証明できなければ差額分だけ譲渡益が膨らみ、税負担が大幅に増える構造です。先祖代々の土地のように本当に取得費が不明な場合のための制度ですが、書類紛失のケースでは不利に働きます。
まず探すべき資料
1. 売買契約書・工事請負契約書(自宅、実家、貸金庫、購入時の関係書類の箱) 2. 購入時の領収書・振込記録(古い通帳、金融機関の取引履歴) 3. 住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)や返済予定表(借入額から購入額を推定する手がかり) 4. 購入時のパンフレットや価格表(分譲マンションなら分譲価格の記録) 5. 仲介した不動産会社・分譲主に当時の記録が残っていないか照会 6. 登記簿の乙区に残る抵当権設定額(当時の借入額の手がかり)
実額に近い立証が認められる場合も
契約書そのものがなくても、合理的な資料の組み合わせで取得費を立証できたと判断される場合があります。ただし、どこまでの資料で認められるかは個別の事実関係によるため、確実な方法とは言えません。金額が大きいケースでは、申告前に税理士へ相談し、資料の評価と申告方針を検討するのが現実的です。
5%で申告する判断
資料がどうしても揃わなければ、概算取得費5%での申告が原則的な選択肢になります。この場合でも、譲渡費用の計上漏れがないか、3,000万円特別控除など使える特例がないかを丁寧に確認することで、税負担を抑えられる余地があります。
将来への教訓
不動産の購入時資料は、売却するその日まで必要になる書類です。家族にも保管場所を共有し、相続の際には真っ先に確保しましょう。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
出典・参考資料
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最終更新: 2026-08-02