相続で取得した家の取得費 — 親の購入額と取得日を引き継ぐルール
相続や贈与で取得した不動産を売るときの取得費は、被相続人の購入額と取得日を引き継ぎます。契約書が残っていない場合の概算取得費の問題と、資料の探し方・生前の備えも解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-26 / 更新: 2026-08-26
相続した実家を売却するとき、「タダでもらったのだから取得費はゼロでは」と心配する方がいますが、そうではありません。相続・贈与で取得した不動産には、取得費と取得日を引き継ぐルールがあります。
被相続人の取得費を引き継ぐ
相続(限定承認を除く)や贈与で取得した土地・建物を売却する場合、取得費は被相続人(亡くなった方)や贈与者がその不動産を購入したときの金額を基に計算します。相続時の評価額や、相続税を計算したときの路線価評価額ではない点に注意が必要です。親が3,000万円で買った家なら、その3,000万円(建物は減価償却後)が取得費のベースになります。
取得日も引き継ぐ
所有期間の判定に使う取得日も、被相続人の取得日を引き継ぎます。相続してすぐに売却しても、親が5年を超えて所有していれば長期譲渡所得(20.315%)です。相続した日から数え直すわけではありません。
相続登記の費用など
相続により取得した不動産の登記費用(登録免許税や司法書士報酬)は、一定の場合に取得費に含められる扱いがあります。相続に伴って支出した費用の領収書も保管しておきましょう。
最大の問題は「契約書がない」こと
実務で多いのは、親が数十年前に購入したときの売買契約書や領収書が見つからないケースです。購入額を証明できないと、収入金額の5%を取得費とみなす概算取得費で計算せざるを得ず、譲渡益が大きく計算されて税負担が重くなりがちです。 ・実家の書類・金庫・貸金庫を探す ・購入時の不動産会社や分譲主に記録が残っていないか確認する ・通帳の出金記録や住宅ローンの資料など、間接的な資料を集める といった対応が考えられます。間接資料で取得費を認めてもらえるかは個別判断となるため、税理士への相談が現実的です。
生前にできる備え
将来の売却に備え、不動産の購入時資料は「相続財産の一部」と考えて保管場所を家族で共有しておくことが、結果的に大きな節税につながります。どうしても購入額を立証できない場合は概算取得費5%による申告が原則となるため、取得費加算の特例など他の制度で負担を減らせないかもあわせて検討しましょう。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
出典・参考資料
本サイトの情報は一般的な参考情報であり、正式な査定ではありません。価格・成約を保証するものではなく、税務・法務の個別判断は専門家にご確認ください。本サイトにはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。
最終更新: 2026-08-02