相続税の延納・物納の概要 — 現金で払えないときの法定の選択肢
相続税を一括で払えない場合、分割で納める延納、不動産などで納める物納という制度があるとされます。要件・担保・利子税など概要と注意点を解説します。売却や借入れとの比較の視点も紹介。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-07 / 更新: 2026-09-07
相続税は金銭一括納付が原則とされますが、どうしても払えない場合のために「延納」と「物納」という法定の仕組みが用意されています。使い勝手を含めて概要を整理します。
延納 — 分割払いにする制度
延納は、相続税を年払いで分割して納める制度とされます。主な要件として次が挙げられます。 ・相続税額が10万円を超えること ・金銭で一時に納付することが困難な事由があり、その困難な金額の範囲内であること ・原則として担保を提供すること(延納税額や期間により不要な場合があるとされます) ・申告期限までに延納申請書を提出すること 延納期間は、相続財産に占める不動産等の割合に応じて定められ、最長20年とされる区分もあります。期間中は利子税がかかるとされ、その負担を考えると金融機関借入れと比較検討する余地があります。
物納 — 相続財産そのもので納める制度
物納は、延納によっても金銭納付が困難な場合に限り、相続財産そのもので納付できる制度とされます。 ・延納でも無理な場合の最後の手段という位置づけで、いきなり物納は選べない建て付けとされます ・納められる財産には順位があり、不動産や国債などが第1順位とされます ・管理処分不適格財産(抵当権付き、境界不明確、係争中など)は物納できず、劣後する財産(市街化調整区域内の土地など)の扱いも定められているとされます ・収納価額は原則として相続税評価額とされ、市場価格より低くなる場合がある点は理解が必要です
実務での位置づけ
要件の厳格さから、延納・物納の利用件数は多くないとされます。実務では「売却して納める」「借り入れて納める」との比較で検討され、境界確定や測量など物納の条件整備に時間と費用がかかることも考慮点です。ただ、売却が難しい不動産を抱えるケースなどで検討価値が生まれることがあります。
検討するなら早めに
延納・物納とも申告期限までの申請が必要とされ、書類準備の負荷も大きい手続きです。納税資金に不安を感じた時点で、早めに税理士へ相談し、売却・借入れ・延納・物納を並べて試算してもらいましょう。
*延納・物納の個別判断は税理士または税務署にご相談ください。*
出典・参考資料
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最終更新: 2026-08-02