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低額譲渡のリスク — 個人間・法人間で異なる課税の考え方

不動産を時価より著しく低い価格で譲渡すると、受け取る側の贈与税や、個人から法人へのみなし譲渡課税など想定外の税負担が生じ得ます。低額譲渡の課税関係を整理します。

著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-26 / 更新: 2026-08-26

不動産を「安く譲る」行為は、善意や身内の事情から行われることが多いのですが、税務上は複数の課税が交錯する危険地帯です。誰と誰の取引かによって課税関係が変わる点を整理しておきましょう。

個人から個人への低額譲渡

個人間で時価より著しく低い価額で財産を譲渡した場合、時価と対価の差額は買主への贈与とみなされ、贈与税の対象になり得ます。「著しく低い」かどうかは画一的な線引きではなく、取引の事情を含めて総合的に判断されるとされています。相続税評価額と市場時価の差を利用した取引が争われた事例もあり、「路線価ベースなら安全」と単純には言い切れません。 なお、売主側の譲渡所得は原則として実際の対価で計算されますが、著しく低い対価での譲渡により生じた損失は、なかったものとされる場合があります。

個人から法人への低額譲渡

個人が法人へ、時価の2分の1未満の対価で譲渡した場合には、時価で譲渡したものとみなして譲渡所得を計算する制度(みなし譲渡)があります。つまり、実際には安くしか受け取っていないのに、時価ベースの譲渡益に課税されるおそれがあるということです。同族会社への資産移転で特に問題になりやすい論点です。

法人が絡むその他の課税

法人が時価より安く資産を取得すれば、差額は法人側の受贈益として法人税の課税対象になり得ます。また、法人が役員へ低額譲渡すれば役員給与(経済的利益)の問題が生じるなど、法人が絡む低額譲渡は複数の税目が同時に動きます。

なぜ「安くしてあげたい」が危険なのか

1. 課税は「契約書の価格」ではなく「時価との差」に着目して行われる 2. 課税されるのが売主か買主か、税目が何かは、当事者の組み合わせで変わる 3. 後から否認されると、贈与税・加算税など想定外の負担が一度に発生する

実務の対応

・時価の根拠資料(査定・鑑定・取引事例)を必ず残す ・親族間・同族間の譲渡は、契約前に税理士へ課税関係の確認を依頼する ・あえて低額で譲る事情がある場合も、課税リスクを織り込んだうえで意思決定する 「身内の取引ほど、第三者と同じ形を整える」ことが、結果的に全員を守ります。

*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*

出典・参考資料

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最終更新: 2026-08-02

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