店舗併用住宅を売ったときの3,000万円控除 — 居住部分だけが対象
店舗や事務所と一体になった併用住宅の売却では、3,000万円特別控除は居住用部分に対応する譲渡所得にのみ適用されます。按分の考え方と、居住割合が9割以上の場合の扱いを解説します。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-24 / 更新: 2026-08-24
1階が店舗で2階が自宅、自宅の一室を事務所として使っていた、といった「併用住宅」を売却する場合、3,000万円特別控除の適用には按分の考え方が必要になります。
原則: 居住用部分だけが特例の対象
3,000万円特別控除は居住用財産の特例なので、店舗・事務所・賃貸部分など事業用の部分には適用されません。併用住宅の売却では、譲渡所得を居住用部分と事業用部分に区分し、居住用部分に対応する譲渡所得についてのみ控除を適用します。
按分の考え方
区分は、床面積の割合など合理的な基準で行うのが基本です。仮に総床面積の60%が居住用なら、譲渡所得のうち60%相当が特例の対象になるイメージです。土地についても、建物の利用区分に応じて居住用部分に対応する面積を判定します。実際の按分方法は建物の構造や利用実態によって変わるため、機械的な計算で済まない場合があります。
「おおむね90%以上が居住用」の取り扱い
居住用部分の割合がおおむね90%以上である場合には、全体を居住用として特例を適用できる取り扱いが認められています。ごく一部を仕事に使っていた程度なら、全体に控除が使える可能性があるということです。この判定は面積や利用実態によるため、自宅の一角で在宅ワークをしていた程度のケースと、明確に店舗営業していたケースでは扱いが異なり得ます。
事業用部分の税務も忘れずに
事業用部分の譲渡益には特例が使えない一方、事業用資産としての建物の減価償却計算や、事業用の買換え特例など別の制度が関係する場合があります。また、賃貸に出していた部分がある場合も同様に区分が必要です。
売却前に整理しておきたいこと
1. 建物のどの部分を、いつからいつまで、何に使っていたか 2. 床面積の内訳が分かる図面 3. 事業用部分の減価償却の計算資料(確定申告書の控えなど) 併用住宅の売却は計算が複雑になりやすく、按分次第で税額が変わります。賃貸併用住宅でも考え方は同様で、貸していた部分には特例が及ばないのが原則です。利用実態を示す記録が按分の説得力を左右するため、申告前に税理士へ相談する価値が高いケースといえます。
*税務の個別判断は税理士・税務署にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02