手付金と契約解除 — 買主が知っておくべき手付の3つの意味
不動産売買の手付金には証約・解約・違約の意味があります。手付解除の期限「履行の着手」の考え方・違約金との違い・買主が契約前に確認すべき点を解説します。契約をやめる場合の基礎知識です。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-08-16 / 更新: 2026-08-16
売買契約時に支払う手付金は、単なる前払い金ではありません。契約をやめる場合のルールと直結しているため、仕組みを理解してから契約に臨みましょう。
手付金の基本的な性質
手付金は契約成立の証拠(証約手付)であると同時に、多くの契約で解約手付の性質を持つとされます。解約手付とは、 ・買主から解除する場合:支払った手付金を放棄する ・売主から解除する場合:受け取った手付金の倍額を買主に支払う(手付倍返し) ことで、理由を問わず契約を解除できる仕組みです。手付金の額は物件価格の5〜10%程度とされることが多く、売主が宅地建物取引業者の場合は上限(代金の2割)の規制があります。
「履行の着手」までが期限
手付解除ができるのは、相手方が契約の履行に着手するまでとされています。履行の着手の判断は個別性が高いため、実務では「手付解除期日」を契約書で具体的な日付として定めるのが一般的です。この期日を過ぎると、手付放棄では解除できず、次に述べる違約の問題になります。契約書の手付解除期日は必ず確認してください。
手付解除と違約解除の違い
手付解除期日を過ぎた後に契約を履行できない場合、債務不履行として違約金(物件価格の10〜20%程度と定める例が多いとされます)の対象になり得ます。手付放棄よりも負担が重くなる可能性があるため、「いつまでなら手付放棄で済むのか」「それ以降はどうなるのか」を契約前に整理しておくことが重要です。
手付金が戻る解除もある
・住宅ローン特約:定められた期日までにローンが不成立の場合、無条件で解除でき手付金は返還されるのが一般的です ・契約違反による解除:相手方の違約が原因の場合 ・危険負担・引き渡し不能:災害等で引き渡せない場合の扱いも契約書に定められます どのケースで手付金が「戻る・戻らない」のかを、重要事項説明の場で自分の言葉で確認しておきましょう。
買主の実務的な注意
1. 手付金は住宅ローンに先立つ自己資金からの支払いです。資金繰りを事前に確認する 2. 未完成物件や宅建業者売主の場合の保全措置の有無を確認する 3. 手付金の授受は必ず領収書を受け取り、契約書の金額と一致させる
*本記事は一般的な解説です。個別の契約条件は契約書・宅地建物取引士にご確認ください。*
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最終更新: 2026-08-02