買主が契約を履行しないとき — 手付解除・違約金の基本整理
買主が残代金を支払わない、連絡が取れないなどの契約不履行に売主はどう対応するか。手付解除と債務不履行解除の違い、違約金条項、催告の手順を解説します。冷静な対応の道筋が分かります。
著者: 47ESTATE編集部 / 公開: 2026-09-23 / 更新: 2026-09-23
売買契約を結んだのに、買主が期日になっても残代金を支払わない、連絡が途絶える——頻度は高くないものの、売主にとって深刻なトラブルです。対応を誤ると解除の効力自体が争われることもあるため、基本の枠組みを押さえておきましょう。
「手付解除」と「債務不履行解除」は別物
まず整理したいのは、契約解除には性質の異なる2つのルートがあることです。 ・手付解除:相手方が履行に着手する前であれば、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返して、理由を問わず契約を解除できる仕組みです ・債務不履行解除:買主が代金支払義務を果たさない場合に、売主が催告のうえ契約を解除し、違約金や損害賠償を請求するルートです 買主が期日に代金を払わないのは債務不履行の問題であり、この場合に売主が使うのは後者です。手付解除のように倍返しをする必要はありません。
違約金条項の確認
多くの売買契約書には、債務不履行による解除の際の違約金(損害賠償額の予定)が定められています。売買価格の10%または20%とする例が多いと言われますが、契約書の定めによります。違約金条項がある場合、実際の損害額を証明しなくても定められた額を請求できるのが原則で、受領済みの手付金を違約金に充当する処理が一般的です。なお、売主が宅建業者の場合は損害賠償額の予定と違約金の合計に法令上の上限があります。
解除までの手順
1. 契約書の履行期日・違約金条項・解除条項を確認する 2. 仲介会社を通じて買主の状況(融資遅延か、履行拒否か)を確認する 3. 相当の期間を定めて履行を催告する(内容証明郵便が用いられます) 4. 期間内に履行がなければ解除を通知し、違約金の請求・手付金の充当を行う 催告と解除の意思表示は証拠が残る形で行うことが重要です。手順を飛ばすと解除の有効性を争われる余地が生じます。
単なる遅延との見極め
融資実行日のずれなど、数日の調整で解決する事案も多くあります。強硬な対応の前に、遅延の理由と履行の見込みを確認し、決済延期の合意書で対応する選択肢も含めて仲介会社・専門家と協議しましょう。
*解除・請求の可否は契約内容と事実関係によります。実行前に必ず弁護士にご相談ください。*
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最終更新: 2026-08-02